弁護士は、アメリカに所在する財産等に関する証拠開示を強みとしています。日本の民事・刑事訴訟に際して、アメリカに所在する証拠の収集が必要になる場合には、ご相談ください。日本法弁護士からのご相談も受け付けております。
合衆国法典第28編1782条に基づく、米国ディスカバリ
合衆国法典第28編1782条は、日本の当事者個人に対しても、アメリカにおける強力な証拠開示制度である、ディスカバリの利用を認め、アメリカに所在する証拠へのアクセスを広く許容しています。 一般的に、民事訴訟の当事者が、法廷地である法域外に所在する証拠の収集は、国際民事証拠共助に関する国家間合意に従って実施されますが、国際民事証拠共助の実施に際しては、両国の裁判所に加えて、その外交当局を経ることが多く、域外証拠収集には、多くの時間を要することになります。また、日本の裁判官は、そのような手段を選択することに積極的ではありません。
しかしながら、当事者個人の資格において(日本の裁判所を経由することなく)、さらには、訴訟係属以前の時点においても 、証拠所在地の合衆国裁判所に対して、合衆国法典第28編1782条に基づくディスカバリを申し立てることにより、迅速かつ効果的に、域外証拠の収集を行うことが可能となります。 従来、1782条直接ディスカバリに関しては、その要件解釈について、合衆国控訴裁判所レベルで、判断が分かれてきましたが、2004年のインテル事件判決において、合衆国最高裁は、同条の文言解釈を統一させるとともに、合衆国法典第28編1782条に基づくディスカバリ申立事件に際して、下級審が考慮すべき要素についても明らかにしました 。これにより、外国法廷等の当事者にとって、1782条直接ディスカバリの利便性が高まり、近年、1782条直接ディスカバリは、強力な証拠収集手段として注目されています。合衆国法典第28編1782条に関する詳細は、拙稿「日米間の域外証拠法制の相剋(上)」国際商事法務 Vol. 50, No. 10(2022)1452頁、拙稿「日米間の域外証拠法制の相剋(下)」国際商事法務 Vol. 50, No. 11(2022)1261頁をご参照ください。
利用例
[離婚事件]
日本人同士の離婚事件において、相手方がアメリカ法域において、多額の金融資産を保有していたが、その情報を任意に開示しない場合に、当該金融機関に対して、財産情報の開示を申し立てた案件。
[刑事事件]
日本の刑事事件の被疑者が、無罪立証の手段として、アメリカ法域に所在する証拠の開示を求めた案件。
[発信者情報開示事件]
インターネット上の名誉毀損事件の被害者が、アメリカのIT企業大手(Google社、Twitter社)に対して、発信者情報の開示を求めた案件。
関連業績
- 2023年 「民間国際仲裁における、外国法廷等のためのディスカバリ(合衆国法典第28編1782条)の利用の可否ーZF Automotive US, Inc. v. Luxshare,Ltd.,142 S. Ct. 637 (2021)ー」比較法学56巻3号 (2023) 108頁
- 2022年 「米国における域外民事証拠収集法制の発展」早稲田大学法務研究科論叢7号(2023)61頁
- 2022年 「日米間の域外証拠法制の相剋(下)」国際商事法務 Vol. 50, No. 11(2022)1452頁
- 2022年 「日米間の域外証拠法制の相剋(上)」国際商事法務 Vol. 50, No. 10(2022)1261頁
